東京・六本木駅から徒歩8分。西麻布のギリシャ大使館隣りにゆったりとたたずむ『ENEKO Tokyo(エネコ東京)』。美食の町といわれるスペイン・バスク地方と、日本の文化を融合させた料理や空間を味わうことができるレストランである。
本店はバスクにある『アスルメンディ(Azurmendi)』。最年少でスペインの三つ星を獲得した、エネコ・アチャ(Eneko Atxa)氏がオーナーシェフだ。 “The World's 50 Best Restaurants”では、「世界で最も持続可能性の高いレストラン」に選ばれている。そして、『ENEKO Tokyo』はエネコ氏の哲学を反映し、「持続可能な調和」をもとに、伝統的なバスク料理をオリジナリティあふれる食材や調理法で表現する。総料理長兼総支配人の磯島 仁(いそじま ひとし)氏は、東京の調理師専門学校を卒業後、西麻布クイーンアリス本店や迎賓館などで15年間、シェフの石鍋 裕(いしなべ ゆたか)氏に師事。2009年にプリオホールディングスに入社し、2012年には『日比谷パレス』の料理長をつとめる。そして2017年、『ENEKO Tokyo』のオープンより、現職をまかされている。
コンセプトは“バスクビストロ”。バスクという土地柄がそうであるように、『ENEKO Tokyo』もレストランでありながら、“おいしい”の先に“楽しい”がある、肩肘はらずビストロのようにリラックスして食事を楽しむことができる空間。食材は、本場スペインのイベリコ豚や生ハム以外は、主に日本の生産者にこだわって厳選。たとえばエリンギは、バスク産のように大きくて太いものを、長野県中野市の農家に依頼して作ってもらっているという。スペシャリテは「有機卵とトリュフ」。エネコ氏が吟味した国産卵の新鮮な卵黄にトリュフのジュースを注入した料理で、バスクの郷土料理を独自にアレンジしている。ワインはスペインのみならず、日本や他国のものも取り扱う。ノンアルコールドリンクでは、フルーツやハーブのホワイトサングリアや、ワイン用の葡萄から作るジュース、愛媛のミカン農家が作る搾りたてのみかんジュースもそろえる。
店内の居心地や空間演出にも、存分にバスクの風が流れている。『アスルメンディ』で使っていたメインダイニングのイスや、スペインの建築に触発された淡路の左官職人・久住有生氏がバスクの風をイメージして設えた土壁がウェルカムルームに施されていたり、廊下に飾られた写真をバスクの写真家が撮影したりと、東京にいながらにして、遠いバスクを想うことができる。メインダイニングのほかに、8~16名の個室を3部屋用意。バスク文化を料理とともに楽しむことができる『ENEKO Tokyo』は、家族や友人、同僚との会食やデートなどにオススメ。また、英語・スペイン語・中国語の対応が可能なので、海外ゲストのおもてなしもできるレストランである。
■アクセス
東京メトロ日比谷線 六本木駅 1C出口 徒歩約8分