新橋駅から徒歩約5分。銀座8丁目に店を構えるのが『銀登美(ぎんとみ)』。店主の高橋 哲久(たかはし てつひさ)氏が握るスマートな鮨に惚れ込み、足を運ぶ常連客も多い。高橋氏は18歳で日本橋蛎殻町『都寿司』に入店。その後、日本料理店や父親が営む『銀座 江戸銀』を経て、『銀座おのでら』へ。研鑽を積んだ後、2018年に『銀座 江戸銀』をリニューアルし、自身の鮨店『銀登美』をオープンした。
店名に入る“登美”は、父親の名前から取ったもの。江戸前ベースの鮨をつまみとして食す“つまみになる鮨”という『銀登美』の鮨スタイルも、父親から受け継いだ。酢飯は酒粕が原料の赤酢でキリッと塩気をきかせる。しょっぱさが強くならないよう、羽釜でお米の旨味をしっかりと引き出し、その酢飯に合うように鮨ダネを仕込む。
マグロの仕入れは、豊洲市場のマグロ専門仲卸より。「近海ものが人気だが、季節によっては海外の天然本マグロを提供し、その良さをお客様に広く発信したい」と、高橋氏は今後の漁場の状況も見据え、最良の魚介確保に余念がない。日本酒は季節の物を数種類ご用意。ワインや洋酒、焼酎、ソフトドリンクなどもゲストのリクエストに添えるように取りそろえる。
高橋氏のさらなるこだわりは、居心地の良い空間作り。「鮨という伝統的な食文化に携わっているからには、内装も職人の手によるものを」と話す。ヒノキ一枚板のL字型カウンター(9席)は、『銀座 江戸銀』時代からのものを引き継ぐ。内装は贅沢に使用した杉材や淡路の土、砂、藁で仕上げた土壁、人間工学に基づいて作られたオーダーチェアは、ゲストから「長時間座っても疲れない」と好評だ。
こだわり抜いた鮨と高級感あふれる設えに背筋が伸びるが、和やかな会話と心のこもったサービスに緊張も解れる。家族や友人、仕事仲間との会食やデートで利用され、非日常的空間の中でシンプルに『銀登美』の味を楽しんでいただきたい。
■アクセス
JR山手線 新橋駅 銀座口 徒歩5分
東京メトロ銀座線 新橋駅 3番出口 徒歩5分