札幌の繁華街の中心地・すすきの の交差点から徒歩5分、都会の喧騒とは対照的に地下にひっそりと暖簾をかかげる『まつ久ら』。創業1962 年の老舗でその歴史は親子三代にわたって紡がれてきた。
「初心を忘れずに好奇心を持って北海道の食材と向き合うことで、その可能性を追求したい。」と語るのは、松倉 和明(まつくら かずあき)氏。京都と鎌倉の名店で研鑽を重ね帰郷したのち、三代目店主として先代達の想い受け継ぎ一心精進している。これまでの修業で学び得た知識と技量、料理の対する真摯な情熱、そして北海道の豊穣な大地の恵みを借りて、自らが創造する北海道料理を構築していく。
『まつ久ら』のコース料理は、季節のお椀の香りや味わいを最大限楽しんでいただけるよう、浅めの淡い味わいから始まり、コース終盤に向けて徐々に味わいが高まるように計算されている。
季節のお椀は、北海道の昆布、羊蹄山の湧き水、そして店主自らが目の前で削る鰹節を贅沢に用いて、目の前で仕立て上げられていく。その一連の流れは目でも舌でも鼻でも、五感を持って味わえるだろう。
淡い味わいの流れの終わりに提供される「まつ久ら芋」は、初代から受け継いだ『まつ久ら』自慢のスペシャリテ。その時の旬の北海道のジャガイモを、北海道のバター、湧き水、天然塩、天然蜂蜜で長時間かつ繊細な火入れで仕上げる。濃厚なバターの旨味と共に口の中でほどけて溶けるジャガイモは、昔から変わらぬ北海道のご馳走の味。祖父の料理、そして思いが現代もゲストを喜ばせ続けている。
「全てのゲストのお腹いっぱいになって帰って頂きたい」という思いから用意されている3種類の〆のご飯ものも人気のひとつ。特にラーメンは地魚の骨からとった出汁と地酒、天然塩のみを用いたシンプルかつ濃厚な出汁の塩ラーメンは北海道らしい食事の一品。
日本酒は北海道の地酒のみならず全国から季節と料理に合わせて、常時20 種類ほどそろえる。ワインは日本料理に合わせた味わいのものを備えている。
木を基調としたあたたかみのある店内にはカウンター7 席とテーブル4 名の半個室が一つ。ダイニングは基本的に大人の料理が注文できるお子様のみで、それより小さなお子様は貸切のみ来店可能だ。海外ゲストには、松倉氏みずから簡単な英語での料理説明が可能。親しい人との記念日や、北海道旅行を思い出深いものにしたいゲストには最良の1 軒となるだろう。
北海道の野菜・山菜・魚介類すべてで良質な食材が入手できる恵まれた土地で「北海道和食」を提供する『まつ久ら』。どの時期にも北海道の豊穣な大地の恵みが盛り込まれる、その豊かさをここでぜひ味わっていただきたい。
■アクセス
札幌市営地下鉄南北線 すすきの駅3番出口より徒歩にて約5分