多くの鮨屋がひしめきあう激戦区、東京・銀座。ここにまた新たな鮨店が誕生した。白木の一枚板でできたカウンターは7席のみ。限られたものだけが大将の前に座ることを許され、その凛とした鮨を堪能することができる。
「鮨 竜介」の大将は、その名も山根竜介氏。銀座「久兵衛」で長年修行をつみ、2015年7月、同じく銀座の地に自身の店を構えた。コリドー街から道を一本入ったビルの地下、緊張とともに暖簾をくぐれば、物腰柔らかく溌溂とした明るさの大将が出迎えてくれる。限られた時間と空間で、ゲストを最大限に楽しませる大将の心意気が店の随所に現れている。
料理はおまかせのみ。まずは、久兵衛時代に培った技術を生かした、丁寧な仕事が光る料理から始まる。日本食では珍しいトリュフやキャビアを使い、バリエーション豊かなつまみでゲストの心をつかむ。そして、握りではネタに合わせてシャリを赤酢と白酢で使い分け、全国から仕入れる最高の食材を極上の鮨に仕上げていく。老舗鮨店から独立した大将が、いま目指すのは、「楽しい鮨」なのだ。いま、銀座で訪れるべき鮨屋の名店が、ここ「鮨 竜介」である。