広島県北部、島根県に接する広島県三次(みよし)市。古くから山陰と山陽地方を結び、文化や経済、交通に重要な土地として発展してきた。豊かな水に恵まれ、水は全て地下水を利用している。地元では河川の合流で霧が出やすい「霧の町」としても有名で、市街地の旧街道には古い商家が並ぶ。『muk(ムク)』はそんな三次市の廃業となった酒蔵をリノベーションした建物を利用して、もう何十年もここにあるような趣ある空気感を出している。車で広島市から120分、電車では芸備線三次駅から2kmほどで、近隣のアイコン的なスポットである三次もののけミュージアムから徒歩5分の場所となる。
昼は菓子を販売、夜はフレンチレストランという営業形態で、結婚を機にこの地で夫婦で『muk』をスタートさせた。福間 大地(ふくま だいち)氏は東京の二つ星『エディション・コウジシモムラ』ほか、都内の複数のレストランで料理や菓子の修業を重ね、パティシエとソムリエを担当し、福間 嘉与(ふくま かよ)氏が料理を担当する。
料理はコースで提供。三次や福間氏の故郷川西地区のほか、生産者から直接仕入れた食材にこだわる。世羅地区の「ふみちゃん家のたまご」はケーキ専用卵と銘打った、餌にこだわった濃厚な卵で、料理のほかプリンやシュークリームなど菓子にも使用。また、菓子からインスピレーションを得た料理、たとえばパウンドケーキ生地でフォアグラをサンドして季節のフルーツをのせた「フォアグラの冷製テリーヌ」などを得意料理とする。
ドリンクはワイン・ジン・ウイスキーを中心に用意。ワインは三次のワインのほか、フランスやイタリア、ウイスキーはアイラなど。ペアリングは、アルコールはもちろんノンアルコールにも力を入れる。車での来店が多く、ゲストが平等にドリンクを楽しめるようにしたいという思いをこめている。
『muk』という店名は、この地域のシンボルである勾玉の「勾」という漢字の中に「ムク」という文字が見えること、また、蔵という意味を持つ「椋(むくのき)」「無垢」などから名づけられた。その名の通り古い建物の良さを残した店内には、テーブル2卓と個室。
お祝いや記念日、ご家族連れなどにぴったりだ。『muk』の小ぢんまりした空間で、親しい人と、リラックスできるひとときを楽しんでいただきたい。
■アクセス
・高速バス広島空港→(約1時間20分)三次駅前 三次駅からもののけミュージアムへバスで移動。
・JR芸備線快速広島駅→(約1時間20分)三次駅 三次駅からもののけミュージアムへバスで移動。
・高速バス広島BC→(約1時間30分)三次もののけミュージアム
もののけミュージアムより徒歩5分