東京・銀座五丁目、歌舞伎座にほど近いビルの三階に店を構える日本料理店『銀座くどう(ぎんざくどう)』。東京の喧騒を忘れさせてくれる静かな空間で、大将の工藤 淳也(くどう じゅんや)氏が腕を振るう。
工藤氏は山形県出身。18才の時上京し、割烹『日本橋とよだ』で修業を始めた。その後、『銀座うち山』で二年修業すると、2011年には暖簾分けして『徳うち山』の店主となる。そして2017年、満を持して自身の店『銀座くどう』を開業。瞬く間に名店がひしめく銀座の人気店の仲間入りを果たした。
「お客様の求めているものに向き合い、趣向を凝らした料理を提供したい」という工藤氏の思いから、一日の予約は3組限定。旬の食材はその時の最上級のものを提供する。たとえば冬は、香箱ガニや伊勢エビ、アワビ、フグなどが楽しめる。魚は全国からの産直か、豊洲から。2019年からは、干支にちなんでジビエ・イノシシを鍋料理で出している。鍋に入る九条ネギ、生ナメコ、キクラゲを、イノシシのしゃぶしゃぶから出るだしで味わうことができる。名物の「鯛茶漬け」も人気メニューだ。料理に寄り添う酒は、旬の日本酒をはじめ、山形の銘酒「十四代」やワインも揃える。
店内は、すべてテーブル個室(4~6名様)。京都の風情を思わせる数奇屋造りで、小さな中庭が季節感を醸し出す。客同士が顔を合わさずにゆったりと過ごせるレイアウト。細かい調度品もこだわり、全国各地の作家物の器が揃うほか、他の料理店の器と被らないようにと、工藤氏自らがデザインした器も使っている。とにかく「ゆったりとした心地よい空間で『銀座くどう』のお料理を楽しんでもらえるよう心掛けている」と話す工藤氏。家族や友人、知人、仕事仲間との会食やデートでも、精魂込めた一流の料理を、一流の作法をもって穏やかに味わいたいものだ。
■アクセス
都営浅草線 東銀座 4番出口 徒歩2分